『桜のような僕の恋人 宇山佳佑著』通勤、通学中は絶対に読まないでください。

ツイッターのタイムラインには読みたい本がたくさん!

こんにちは、すいかんです。
ツイッターで見かけてどうしても読みたくなった本を借りてきました。

またしても初めましての作家さん。宇山佳佑さんです。

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あらすじ

朝倉晴人は24歳。夢はカメラマンになることだったが、現在レンタルビデオ店でアルバイトをしている。

そして晴人は美容師の有明美咲に恋をする。晴人と同じ24歳だ。

晴人は美咲に仕事は「カメラマン」だとウソをついていた。

やがて晴人と美咲は付き合うことになる。

しかし付き合って数ヶ月たった頃、晴人は美咲に別れを告げられる。

「他に好きな人ができた」とだけ言われ、話し合うこともできない。

実は美咲はファストフォワード症候群という難病を発症していた。
普通の人の数十倍の速度で老化してしまう病気だ。

美咲は自分が老いていく姿を晴人に見せたくなくて別れを決断したのだった。

会わない間に老婆のような姿になっていく美咲と、突然の別れに納得ができない晴人。

美咲と会えない間に仕事(写真家の手伝い)を頑張る晴人。
美咲のおかげで夢だった写真家への道へと進みだしていた。

そして美咲の兄から病気のことについて聞かされた晴人はそれから時間がある限り美咲に話をしに行く。

顔を見ることはできないが、壁越しに話すだけでも嬉しい2人だった。

晴人が先輩の写真展に作品を出させてもらうことになった。
その写真展を力を振り絞って美咲は見に行く。

それから数日後、美咲は息をひきとる。

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『桜のような僕の恋人』を読んだ感想

ツイッターで見かけたときは「これって、お涙ちょうだいもの?」なんて軽い感じで読みたいと思いました。

「久しぶりに泣ける本でも読んでみるか!」って感じで。

だけどね。
そんな軽い気持ちで読める本ではありませんでした。

若いがゆえに苦しむ2人。
美咲側からみれば同い年なのに自分だけが年を取り、もちろん外見までもすっかり老婆へと変わっていく苦しみ。

頭の中は24歳なんだもんね。

そういう姿を見せたくないがために別れを切り出すことば。
なんて切なく、苦しいんだろう。
読むのが辛くなるほど苦しかった。

晴人側からみれば片思いしてきた人とやっと恋人同士になれたのに、突然別れを切り出される。
しかも「他の人を好きになった」と。
あまりに理不尽で意味不明だっただろう。

話し合いすらさせてもらえないもどかしさと苦しみ。

どちらの立場であっても苦しいことには違いない。

美咲も晴人も周りの人に助けられながら前に進もうとするけど、いつも考えるのはおたがいのこと。

病気って残酷だ。

イチバン印象に残ったシーン

イチバン印象に残ってて、苦しいシーンは美咲と晴人が再会するシーンです。

再会と言っても、晴人は老婆になった美咲に気づかないので再会とは言わないのかもしれませんが。

晴人は写真展の最終日に美咲を迎えに行く途中で老婆(美咲)に親切にする。
(風で飛んだ帽子を拾って手渡しする)
晴人が思い描いていた美咲は24歳の姿なので、老婆が美咲だとは思いもしない。

老化が進行してからは会っていないので仕方がないのかもしれない。
晴人に気づいてもらえなかった美咲。

どれだけ傷ついただろうか。
言葉なんかじゃ言い表せないだろう。

美咲が亡くなってから、晴人はお兄さんに美咲の部屋を見せてもらう。
そこで見つけた桜色の帽子。
あの老婆に拾って手渡してあげた帽子だった。

ここで晴人はあの老婆が美咲だったことに気づく。

このときの晴人の気持ちも計り知れない。

最後に出会ったことで2人ともが傷つく結果になってしまった。

では、2人は会わない方が良かったのか?
いや、ワタシは会えて良かったんだと思う。

美咲はほんの少しでも会えたことの喜びが大きかったと思う。

そして美咲は晴人に宛てて手紙を書く気にもなった。

晴人はその手紙に勇気づけられ、頑張って生きて行くきっかけになった。
お互い傷つきはしたけど、再会した意味は十分にあったと思う。

まとめ

全部読み終わったあとに、一番初めのページを読むとまた胸にグッときます。

最初に読んだときはさらっと流したページが、こんなに重いページになるなんて。

通勤や通学のお供にはおススメできません。
なんでって、泣いてしまうからです。

ひとりのときにこの世界に入って思う存分泣いてほしい本です。

泣きたいときにぜひ読んでほしい1冊です。

また桜の季節に再読したい本になりました。